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島根県合唱連盟理事長　勝部俊行

拝啓　花々は色鮮やかに咲き誇り、木々の葉は爽やかな緑の光を煌めかせ、一年の中でも 最も希望にあふれた季節となりました。皆様にはますますご健勝のこととお喜び申し上げ ます。また、日頃より当連盟の活動に多大なるご尽力をいただいておりますことを心より 感謝申し上げます。

　しかし今年は新型コロナウイルスの蔓延。良き候でありながら、“STAY HOME”ということで家から外に出るのもままならず、ひたすら我慢の季節となってしまいました。

　そんな状況のもとで、当連盟では総会も開くこともできないで形で2020年度が始まりました。そしてさらに、感染の収束も見えないことから上半期の諸行事のすべてを中止にせざるを得なくなりましたことは誠に無念の極みと言わざるを得ません。

　全日本においても5月の「コーラスワークショップ」、7月の「おかあさんカンタート」及び「男声合唱フェスティバル」、8月の「おかあさんコーラス全国大会」と、上半期のすべてが中止となり、残すは「合唱コンクール全国大会」をどうするかというところとなっています。これについては、連休明けに検討がなされ、見通しが示されることと聞いています。

　我々合唱人にとって、日頃の練習どころか仲間たちが集まることも叶わず、過酷極まる試練がまだまだこれから長く続くと推測されます。私たちにはただひたすらウイルス感染の一刻も早い終息を願うしかなす術がありません。

　しかしそんな状況の中でも決して希望を捨ててはいけないと思います。私たち合唱人にとって、ひょっとしたらこんな状況だからこそすべきことがあるのかもしれません。普段は気づかない何かに気づくかもしれません。今しかできないことがあるかもしれません。それを探ってみることも試練を乗り越えるための方策なのかもしれません。視点を変えて、こんな状況だからすべきこと、こんな状況だからできることを見つける努力が必要なのかもしれません。

　当分の間一堂に会しての活動はできませんが、たとえ物理的な隔たりがあろうともお互いに心を通い合わせ、力を合わせ、合唱への情熱を確かめ合いながら、島根県合唱連盟という大きな合唱団の一員として、この歴史的試練を逆に糧としてさらに成長し、禍転じて福となすよう心がけていきたいものです。

　終わりになりましたが、どうか皆様もウイルス感染には十分にお気を付けいただき、くれぐれも、くれぐれもご自愛くださいますようお祈り申し上げます。

敬具

令和2年5月1日